エアコンの冷房を使用する際、電気代を抑えながら快適に過ごす方法を知りたい方は多いでしょう。本記事では、エアコンの冷房運転時の節電方法について詳しく解説し、実践しやすい節電のコツを紹介します。
夏の時期の電気代が高いと悩んでいる方は、ぜひ実践してみてください。
エアコンを節電する6つの方法

まずはエアコンを節電する6つの方法を紹介します。
- 定期的にフィルターを掃除する
- 風量は自動設定にする
- 風向を上向きか水平にする
- 扇風機やサーキュレーターを併用する
- 室外機に直射日光を当てない
- 室外機の周りに物を置かない
夏の電気代が高いと感じている方は、上記の6つを行うと電気代を下げられる場合があります。ぜひ参考にしてください。
定期的にフィルターを掃除する
エアコンのフィルターが汚れていると、空気の流れが悪くなり、冷房効率が低下します。その結果、エアコンは設定温度まで部屋を冷やすために余計な電力を消費してしまいます。特に、ホコリや汚れがフィルターに詰まると、冷却効果が落ちるだけでなく、室内の空気も汚れやすくなるため、健康面にも影響を与える可能性があります。
フィルターの掃除は2週間に1度を目安に行うのが理想的です。掃除機でホコリを吸い取るだけでなく、水洗いしてしっかり乾燥させることで、より高い効果が期待できます。定期的なフィルター掃除を習慣化することで、エアコンの効率を保ち、節電にもつながります。
風量は自動設定にする
エアコンの風量を手動で「弱」に設定すると、一見節電できるように思えますが、実際には冷房効果が低下し、設定温度に達するまでの時間が長くなってしまいます。その結果、運転時間が延びてしまい、逆に消費電力が増えることもあります。
エアコンの風量は「自動設定」にすることで、室温に応じて最適な風量を調整しながら運転するため、効率よく冷房できます。特に、部屋が暑い状態から冷やし始める際には「強風」で一気に冷やし、適温になったら「弱風」に調整されるため、無駄な電力消費を抑えることが可能です。
風向を上向きか水平にする
冷たい空気は自然と下に溜まる性質があるため、エアコンの風向きを下向きに設定すると、足元ばかりが冷えてしまい、部屋全体の冷房効率が悪くなります。
効果的なエアコンの使い方として、風向きを「上向き」または「水平」に設定することで、冷気を部屋全体に循環させることができます。これにより、室温が均一になり、エアコンの設定温度を極端に低くしなくても快適に過ごせるため、節電につながります。
扇風機やサーキュレーターを併用する
エアコンと扇風機またはサーキュレーターを併用すると、部屋全体に冷たい空気を均等に行き渡らせることができます。特に、サーキュレーターを壁や天井に向けて風を送ると、空気が循環しやすくなり、エアコンの効率が向上します。
例えば、エアコンの設定温度を1〜2℃高めにしても、扇風機やサーキュレーターの風を利用すれば、体感温度は変わらず快適に過ごすことができます。この方法を実践することで、エアコンの消費電力を抑えながら、電気代を節約することが可能です。
室外機に直射日光を当てない
エアコンの室外機が直射日光にさらされると、本体が熱を持ちやすくなり、冷房効率が低下します。特に真夏の炎天下では、室外機自体の温度が上昇し、放熱がうまくできなくなるため、エアコンの負担が増し、電力消費が多くなります。
対策として、室外機の上に日よけを設置したり、すだれや遮光ネットを利用することで、直射日光を遮ることができます。ただし、完全に覆ってしまうと空気の流れが悪くなるため、適度な通気性を確保することが重要です。
室外機の周りに物を置かない
室外機の周りに物を置くと、空気の流れが悪くなり、放熱が妨げられてしまいます。その結果、エアコンはより多くの電力を使って室内を冷やそうとするため、電気代が高くなる原因になります。
特に、室外機の前面や側面に障害物を置くと、効率的に熱を排出できなくなるため、室外機の周りはなるべく開けた状態にしておくことが大切です。また、定期的に室外機のフィンやファンに付着したホコリや汚れを取り除くことで、冷房効率をさらに向上させることができます。
エアコンの電気代の計算方法を紹介

エアコンの節電方法を理解した後は、電気代の計算方法を紹介します。電気代の計算方法を理解することで、大体1ヶ月にどのくらいの電気代がかかるかイメージできます。
1時間あたりの電気代
エアコンの消費電力(kW)× 電力単価(円/kWh)で計算できます。例えば、1.2kWのエアコンを1時間使用し、電力単価が27円/kWhの場合、
1.2kW × 27円/kWh = 32.4円
となります。この計算を利用すれば、1日や1ヶ月、年間の電気代を簡単に見積もることが可能です。
エアコンの消費電力は機種や設定温度によって変わるため、実際の数値を確認するには、電力会社の料金プランやエアコンの仕様をチェックすることが大切です。また、省エネモデルのエアコンを選ぶことで、長期的に電気代を抑えることもできます。
1年間の電気代
1日8時間使用すると仮定し、
32.4円 × 8時間 × 30日 × 3ヶ月(夏)= 約23,328円
このように年間の電気代を予測できます。
さらに、冷房を使用する期間が長くなる地域では、年間の電気代がさらに高くなる可能性があります。そのため、冷房の使用時間を短縮する工夫や、エアコンの効率を高める方法を取り入れることが重要です。例えば、日中はカーテンやブラインドを活用して日差しを遮ることで、室温の上昇を防ぎ、冷房の稼働時間を減らすことができます。
冷房と暖房の電気代の違い
一般的に暖房の方が冷房より消費電力が高く、電気代も高くなりやすいです。その理由は、エアコンの暖房機能は室外の空気を暖める必要があり、特に外気温が低いときにはより多くの電力を消費するためです。
例えば、冷房時のエアコンの消費電力が1.2kWであっても、暖房時には2.0kW以上になることがあり、電気代が倍以上になるケースもあります。そのため、年間の電気代を抑えるためには、冷房だけでなく暖房時の節電対策も重要です。
暖房時の節電方法としては、エアコンと加湿器を併用して体感温度を上げる、断熱カーテンを利用して暖気を逃がさないようにする、電気毛布やこたつなどの補助暖房を活用するなどの工夫が有効です。
エアコンの節電はつけっぱなしが良い?

エアコンの冷房の節電にはさまざまな方法があります。ここでは使用状況に応じて、どのような対応をすれば良いのか紹介します。
エアコンは部屋を冷やすときに電気使用量が増える
エアコンは設定温度まで部屋を冷やす際に最も電力を消費します。そのため、頻繁にオン・オフを繰り返すと、そのたびに冷却のためのエネルギーが余分に必要になり、電気代がかさむ原因になります。
例えば、室温が30℃の状態から25℃まで冷やす場合、エアコンは最大出力で稼働します。しかし、こまめに電源を切ると、再び30℃まで上昇し、また最大出力で冷やす必要が生じるため、かえって電力消費が増えてしまいます。
設定温度を維持しているときは電気の使用量は少ない
一度設定温度に達すると、エアコンは「維持運転」となり、少ない電力で温度を一定に保つようになります。そのため、外気温が安定している時間帯や夜間は、つけっぱなしにすることで無駄な電力消費を抑えることが可能です。
特に高性能なエアコンでは、インバーター制御により、設定温度に達すると自動的に消費電力を下げる仕組みになっているため、適切な温度設定をすることでより効率的に節電できます。
短時間の外出であればつけっぱなしで良い
外出時間が30分〜1時間程度の短時間であれば、エアコンをつけたままにしておいた方が消費電力を抑えられます。これは、エアコンを一度オフにした後、再びオンにした際の冷却運転の負担を減らすためです。
一方で、2時間以上の外出や長時間留守にする場合は、一度エアコンを切る方が節電効果が高くなります。その際、帰宅後すぐに冷やしたい場合は、スマートリモコンを活用し、外出先からエアコンを操作することで快適な室温を維持しながら節電することもできます。
エアコンの冷房運転の快適温度と湿度

エアコンの冷房運転の快適温度と湿度を保つポイントは、以下の通りです。
- 冷房運転の快適温度
- 除湿のおすすめの使い方
- 快適な温度は人によって異なる
夏を快適に過ごすために知ってもらいたいことを紹介します。
冷房運転の快適温度
環境省は、夏の冷房設定温度を28℃と推奨しています。ただし、快適な温度には個人差があるため、一律に28℃が適しているとは限りません。例えば、湿度が高い日は28℃でも蒸し暑く感じることがありますが、湿度が低い日には同じ温度でも快適に過ごせることがあります。
温度は27〜28℃、湿度は45〜55%くらいが快適な温度といわれています。
また、活動量や服装によっても適切な温度は変わります。仕事や家事で動き回る場合は26〜27℃に設定すると快適に感じやすく、逆にデスクワークや就寝時は28℃前後が適しています。
扇風機やサーキュレーターを併用することで、設定温度を1〜2℃高めにしても体感温度を下げることができるため、節電にもつながります。
除湿のおすすめの使い方
湿度が高いと、同じ温度でも暑く感じやすいため、除湿機能を適切に活用することが重要です。特に梅雨時期や雨の日は湿度が80%を超えることもあり、冷房の設定温度を下げるよりも除湿を行った方が快適に過ごせることが多いです。
エアコンには「除湿(ドライ)モード」が搭載されている場合があり、このモードを活用すると、設定温度を下げずに湿度を減らし、涼しさを感じやすくなります。除湿運転には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があります。
- 弱冷房除湿:冷房と同じように空気を冷やしながら除湿する方式で、比較的電気代が安い。
- 再熱除湿:除湿した空気を少し温めて室内に戻す方式で、湿度を下げながらも寒くなりすぎない。ただし、消費電力はやや高め。
適切な除湿方法を選ぶことで、快適さと節電を両立できます。
快適な温度は人によって異なる
快適な温度は個人の体感や生活環境によって異なります。例えば、暑がりの人と寒がりの人が同じ部屋で過ごす場合、28℃では暑く感じる人もいれば、寒く感じる人もいるため、お互いの快適さを考慮した調整が必要です。
また、高齢者や乳幼児は体温調節機能が未発達または低下しているため、極端に低い温度設定は避けるべきです。高齢者は暑さを感じにくくなるため、適切な湿度管理とともに、室温を27〜29℃に保つことが推奨されます。
家族で快適に過ごすためには、エアコンの設定温度を調整するだけでなく、扇風機を利用したり、ひんやりする敷パッドや通気性の良い寝具を活用したりすることも有効です。
エアコンの冷房を節電する方法に関するよくある質問

最後に、エアコンの冷房を節電する方法に関するよくある質問を紹介します。質問の内容は以下の通りです。
- エアコンの冷房で節電するにはどうしたらいい?
- エアコンの1番節約できる使い方は?
- エアコンの中で1番電気代がかからない運転は?
エアコンの冷房を節電するために重要なことを紹介します。ぜひ参考にしてください。
エアコンの冷房で節電するにはどうしたらいい?
エアコンの冷房で節電するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 定期的なフィルター掃除:フィルターが汚れていると、空気の流れが悪くなり冷房効率が低下します。2週間に1度の掃除を習慣化しましょう。
- 風向きを調整する:冷気は下に溜まりやすいため、風向きを上向きまたは水平にすることで、部屋全体に冷気を循環させられます。
- 扇風機やサーキュレーターの併用:エアコンの設定温度を高めにしても、空気の流れを作ることで体感温度を下げることができます。
- 室外機の管理:直射日光が当たらないようにし、周囲に物を置かないようにすることで放熱効率を向上させましょう。
これらの方法を実践することで、電気代を抑えつつ快適な空間を作ることができます。
エアコンの1番節約できる使い方は?
エアコンを最も節約しながら使うには、以下の点を意識しましょう。
- 設定温度を適切に調整する:環境省の推奨は28℃ですが、湿度や体感温度に合わせて無理のない範囲で設定を見直しましょう。
- こまめなオン・オフを避ける:短時間の外出ならつけっぱなしの方が節電になることが多いですが、2時間以上の外出なら消した方が効果的です。
- 自動運転モードを活用する:自動運転は最適な風量と温度を調整するため、無駄な消費電力を抑えられます。
- 除湿モードの活用:湿度が高いと暑く感じやすいため、冷房を強める前に除湿モードを試すのも有効です。
これらの工夫を取り入れることで、快適さを維持しつつ電気代を抑えることができます。
エアコンの中で1番電気代がかからない運転は?
エアコンの運転モードによって電気代が大きく変わります。最も効率的な運転方法は以下の通りです。
- 自動運転モード:エアコンが室温を判断し、適切な風量や冷房強度を調整するため、無駄な電力消費を防げます。
- 弱冷房除湿モード:適度に除湿しながら室温を維持できるため、冷房よりも電力消費を抑えつつ快適さを確保できます。
- ナイトモードやエコモード:寝る際にエアコンを使用する場合は、温度を徐々に上げるナイトモードやエコモードを活用すると効果的です。
また、電力会社の「時間帯別料金プラン」を利用する場合、夜間の電気代が安い時間帯を活用することで、さらに節電効果を高めることができます。
まとめ:快適温度を知ってエアコンの冷房を適切に使用しよう

エアコンの冷房を効率よく節電するには、定期的なメンテナンスや適切な設定温度、扇風機との併用がポイントです。また、運転モードの選択や室外機の管理も重要です。本記事で紹介したエアコンの冷房運転時の節電方法を活用し、快適かつ省エネな夏を過ごしましょう。
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